夏休み特別企画 始まりました☀

お日様に向かって一生懸命に背伸びをする無数の向日葵(ひまわり)。

まんのう町の夏の風物詩ですね。

こちらの写真は、当館スタッフが梅雨の合間に撮影した町内のひまわり畑です。

明けそうで明けない梅雨ですが、町立図書館では一足早く、夏の特別企画を開催しています!!

今年は何もかもがいつもと違う夏になります。旅行やお出かけも、例年通りにはいきませんよね。

お出掛けできないのなら、行った気になろう!  ということで、今年の夏のテーマは、

「旅した気分になれる本」です (^^♪

本の中でなら、誰もが自由に世界中を旅し、絶景やその土地ごとの名産品を味わうことが出来ますよね。

それでは、本の旅に出かけましょう!

まずは、「日本列島本の旅」。

館内中央には、巨大な日本列島が出現していますよ (^^♪

日本列島を8つの地域に分け、それぞれの素敵なところを紹介した本や、地域の魅力が再発見できる本を集めました。

  

ページをめくりながら、旅した気分を味わってください。

 

入口の特設コーナーでは、「異文化見聞録」と題し、外国の文化や風習などに触れられる本を集めています。

本でなら、世界一周も夢ではないですよね !(^^)!

 

館内3か所のミニ特設コーナーでは、旅にまつわるテーマで、様々な本を紹介しています。

    

B:絶景を楽しもう    C:旅ごはん        D:旅する物語

絶景や美味しいものを堪能したり、主人公と一緒に旅をしたり…。

本の世界では楽しさが無限に広がりますね ♪

 

まだまだお楽しみは続きますよ ☺

 

館内のいたるところに緑のテープが!?

ずーっと辿っていくと…、答えが見えてきますよ。

誰もが知っている有名な建物やモニュメントなどの、実物大の大きさを表しているんです。

思ったよりも、大きい?小さい?

是非、館内で「実物大」を体感してください。

 

こちらは、子どもたちに大人気の「すみっこぐらし」のコーナーです。

全国各地の名所や名産品とコラボした、「ご当地すみっこぐらし」がいっぱい!

当館スタッフの家から集めてきた ”すみっこ” たちと一緒に日本全国を回ってみませんか?

 

恒例のフォトスポットもありますよ (^_-)-☆

 

ロビーのガラス面に貼られた有名な観光スポットの数々。

どなたでもご自由に撮影できますので、是非 ”旅の記念”に楽しんでください。

 

その他、夏休みの宿題に役立つ本のコーナーや、「戦争と平和」、「課題図書」のコーナーも設置していますので、ご利用ください。

 

 

みんな大好き! 「かりまいちゃんぬりえ」もありますよ。

キレイに塗って、図書館まで持って来てくださいね。みなさんの作品を展示させていただきます ♬

 この夏のかりまいちゃんは、浴衣姿ですよ ☀

 

参加型イベントでは、満濃池にまつわるエピソードを募集いたします。

題して、「あなたと私の満濃池ものがたり」!

昨年、ため池としては全国で初めて「国の名勝」に指定された満濃池。

地元の方たちにとっては、縁の深い場所ですよね。

とっておきの思い出エピソードをお寄せください。

応募用紙は、館内カウンターにあります。写真や挿絵を添えたものも大歓迎です。

応募いただいたエピソードは館内に展示し、多くの方たちと満濃池の魅力を共有したいと思っています。

詳しくは、図書館HPをご覧ください。

たくさんのご応募お待ちしています!

 

いよいよ、夏本番!

いつもとは違った夏を、本とともに楽しいものにしちゃいましょう!

皆さまのご来館をお待ちしています。

 

 

 

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「哲学」しませんか?

梅雨明け宣言がないまま、日差しは猛暑の様相を呈しておりますが、今年は何かと様式の違った夏を迎えることになりましたね。

子どもたちも、長くて厳しい夏のほとんどを、学校で過ごすことになりました。

子どもは子どもなりに、色々と思い悩み、それまではあまり考えることのなかった事柄について、思いを馳せることもあったと思います。

そこで町立図書館では、8月10(月・祝)と9月19日(土)の2回に渡って、「中高生のためのオンライン哲学対話」というイベントを開催することになりました。

まだまだ人が集まるイベントの開催は難しい状況にある中で、町立図書館としては初の試みとなるリモートでの参加型イベントです。

ビデオ会議システムZoomを利用し、提示されたテーマについて、参加者の皆さんが自分の考えを述べたり、お互いに質問しあったりしながら、対話を進めていきます。

哲学に関する特別な知識は必要ありません。率直な考えや思いを言葉にし、参加者がお互いの意見に耳を傾けたり、質問をし合ったりします。最後に何か答えを出すことが目的ではなく、対話を通して深く考え、探求することを大切にする会となっています。

進行役は、学びと対話の時間づくりの活動をされている「てつがく屋」の杉原あやのさんです。

対話のテーマは、

8月10日 「私たちに世界は変えられるのか?」

9月19日 「客観的って何だろう?」

両日とも、16:00~18:00で開催いたします。

定員は各日7名で、参加費は無料です。

中高生または通学・進学をしていない10代の方を対象としています。

インターネット環境が整った場所から参加して頂くことになります。

申し込みは「てつがく屋」HPのイベント申し込み欄からお願いします。

更に詳しい内容は、まんのう町立図書館HPのイベントのご案内をご覧ください。

 

対話を通して、深く考える――。

すでに「哲学」ですね (^^♪

ご参加お待ちしています。

 

 

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第4回 ブログ版「農業講座」

今年の梅雨は、晴れの日が多いように思われましたが、ようやく梅雨らしいシトシト・ジメジメした天候になってきましたね。

夏至も過ぎ、梅雨が明ければ夏本番です。

暑さに日焼けにウイルスに…、人間だけでなく、植物だって生き物ですから気をつけることがいっぱいですよね。

そんな、この季節ならではの農業のおはなしを、まんのうの達人・豊嶋和人さんによる、ブログ版「農業講座」で学びましょう!

 

【紫陽花と宮沢賢治、あとバッタ】

アジサイの鮮やかな梅雨になりました。アジサイの花の色が赤くなったり青くなったりするのは、主に土壌pHが影響しているというのはアジサイを庭先に植えている方にはおなじみでしょうか。もうちょっとだけ理屈を付け加えると、土が酸性だと土壌中のアルミニウムが水に溶け出します。溶け出すということは根に吸われる状態になります。根から吸われたアルミニウムはアジサイの色素と結合し、青くなります。アルミニウムが溶けない弱酸性からアルカリ性では赤くなります。青いアジサイを来年は赤く咲かせようと思ったら、苦土石灰などで酸性を中和してやるとよさそうです。

(写真① アジサイの花、本人撮影)

 

アルミニウムには実は植物に対して毒性があります。ただ、その毒への耐性が植物によって違っていて、アジサイはアルミニウムに強いほうなので青くなるだけで済んでいるわけです。一方、アルミニウムに弱いホウレンソウをアルミニウムが溶け出す酸性条件で育てると、根が伸びずに下葉が赤くなって成長せず、農家の顔が青くなります。

以前にも少し紹介しました(注1)関東や九州に多いかつて痩せ地だった黒ボク土は実はアルミニウムを多く含む土なのです。どおりで作物ができなかったわけですね。その土は20世紀になって石灰やリン酸肥料の投入によって「ようでける」土になりました。石灰は酸性土壌を中和し、アルミニウムが溶け出さないようにします。リン酸はアルミニウムと結合して根から吸われない形にします。これは大事な肥料分のリン酸がアルミニウムと結合して吸われなくなるとも言えます。リン酸をたくさん施してはじめてリン酸が根に吸われるようになる土なんですね。

(注1)第1回ブログ版「農業講座」を参照

ちなみに、図書館にもたくさん蔵書がある、詩人で童話作家の宮沢賢治は、土壌肥料の専門家でもありました。農学校や羅須地人協会で土や肥料の教育に携わったことで知られています。晩年の賢治が熱心に取り組んだのが炭酸石灰肥料の売り込みでした。岩手に多く見られる黒ボク土はとにかく酸性土壌を改良しないとはじまらないわけですから。

黒ボク土ほどではなくても、わたしたちが耕す土も酸性改良したほうが作物がよくできる場合が多そうです。先に述べましたホウレンソウや、キャベツ、ブロッコリー、小松菜などのアブラナ科野菜はその代表です。では石灰をまきましょう。お店でよく見かけるのは消石灰か苦土石灰か有機石灰ですね。

消石灰は比較的水に溶け、酸性改良効果が高いですが、そのぶん土壌中で有機物やアンモニア肥料と反応しやすく、種まきや植付けの直前には使えません。苦土石灰や有機石灰は主成分が水に溶けにくい賢治も売込んだ炭酸石灰ですから反応も穏やかで、植付け直前でも施用できます。苦土石灰と有機石灰の違いはと言いますと、

1.苦土石灰は元々の原料が炭酸石灰と炭酸マグネシウムが主成分のドロマイトという鉱物で、有機石灰は牡蠣の殻です。それらを粉砕して肥料にしています。

2.苦土石灰は肥料分のマグネシウムを15%ほど含みますが、有機石灰にはその他のミネラルとともに微量含まれるのみです。

以前、20年以上毎年有機石灰を使ってブロッコリーを栽培していた畑の土壌分析をしましたところ、マグネシウムの数値が極端に低くて驚きました。ブロッコリーでマグネシウム欠乏症が大きな問題になることはほぼないのですが、作物によっては真ん中から下のほうの葉が葉脈に沿って黄色くなるなどの欠乏症状に注意が必要です。

ホームセンターの宣伝文句や肥料の本には有機石灰の特徴として「土をかたくしない」と書かれていることがあります。では他の石灰は土をかたくするかといえば、作付け前に堆肥などを十分に与えておけば気にすることはないと思います。有機石灰は元々が牡蠣殻なので小さな穴がたくさん空いていて、お店で他の石灰と肥料袋の大きさを比べてみればよくわかりますが、比重が軽いようです。そのぶんだけ土を軽くする作用はありそうですが、それに期待して入れすぎてしまうと、マグネシウム欠乏や過剰なアルカリ化を招くおそれがあります。化学肥料だけではなく、堆肥や土壌改良資材についても過ぎたるは及ばざるが如しということが言えます。

(写真② カヤで編んだバッタ、本人撮影)

ところで上の写真②は近所の石井さんからいただいた、カヤで編んだバッタです。生き生きとしていますね。その二週間後の様子が下の写真③です。乾燥しただけで形がそのままなのがすごい。違った味わいがあります。

(写真③ 乾燥したカヤのバッタ、本人撮影)

 

イネ科植物のかたくて腐らない茎葉は大昔から茅葺屋根やしめ縄などいろいろな生活の道具にも使われてきました。

ところが最近はカヤやススキの野原を見ることがあまりありません。代わりによく見るのは耕作放棄地のセイタカアワダチソウですね。でもこれからはひょっとすると昔ながらの野原が戻ってくるかもしれません。10年ほど前に借りた田んぼのお向かいに、田んぼを転用した資材置き場がありまして、セイタカアワダチソウがいっぱい生えてたんですよ。ところがここ1,2年でススキやチガヤに取って代わられるようになりました。田んぼの肥料、特にカルシウムやカリウムが抜けて酸性に傾くと、土壌中のアルミニウムが溶け出してセイタカアワダチソウは減り、元々日本の酸性土壌に生えていたアルミニウム耐性の強いススキやカヤが戻ってきたわけです。

(写真④ ススキとカヤの野原、本人撮影)

 

バッタ細工の名人石井さんに、「お前もそろそろこういうの作って教えられるようにならないかんのぞ」って言われてしまったのですが、手先が不器用なので自信がありません。どうせなら図書館でみんなで習いたいと思うのですが、いかがでしょうか。早くコロナの心配がいらなくなって催し物が再開できるといいですね。

 

では最後に図書館にある関連本を紹介します。

『宮沢賢治の元素図鑑(作品を彩る元素と鉱物)』桜井弘 著 化学同人 (4311 サ)

土壌肥料だけではなく鉱物マニアでもあった賢治の作品にはいろんな鉱物や元素が登場します。それらを作品にそって解説してくれる二度美味しい本です。

『いちばんよくわかる超図解土と肥料入門』 加藤哲郎 監修  家の光協会  (6135 イ)

本文中で三種類の石灰について説明しましたが、いろんな肥料や土づくり資材について大きな写真つきで性質や使い方を解説してくれます。最初の一冊に最適です。

 

カヤで編んだバッタの細工、素晴らしいですね。

豊嶋さんのおっしゃるとおり、早く催し物が再開できるようになって欲しいものです。

その時は、農業講座も ”生” で受講できますね♡

豊嶋さん、今回もありがとうございました。

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第3回 ブログ版「郷土史講座」

今年の「夏至」は、6月21日㈰でしたね。

二十四節季の一つで、北半球では一年で最も太陽の位置が高くなり、昼の時間が長い日です。

夏の中間であることから、「夏の頂点」と言われたりもするそうですが、確かに毎日暑いですよね。

マスクを着けたままでは一層暑さが堪えますが、体調管理に気をつけたいですね。

さて、大人気シリーズのブログ版「郷土史講座」も、いよいよ3回目に進みます。

講師は、お馴染みの片岡孝暢さんです。

 

第3回ブログ版 「郷土史講座」 ~ 満濃池シリ-ズ2 ~

 <「萬濃池 池宮」の絵図を見ての追究学習>

前回、「萬濃池 池宮」の絵図を見ての素朴な疑問や予想について、太郎くんと花子さんの対話、問答形式で記載しました。今回は、宿題にしていた神野神社のことや対話中の事項について、さらにお互いが勉強したやりとりを行います。(第2回も見てくださいね。)

 

太郎くん:宿題やってきた?

花子さん:図書館やインタ-ネットで調べたけど、神野神社の祭神の読み方が難しかったわ。でも、満濃池の堤に立って、絵図と景色を重ね合わせ、江戸時代に想いを馳せながら観てみると楽しかったわ!

太郎くん:僕は図書館から本を借りて調べたよ。

 

 神野神社について

花子さん:神野神社は延喜式内讃岐国二十四社の一つだそうだけど、どういう意味なの?

太郎くん:10世紀初め、朝廷から官社として認められた格式ある神社のことだよ。

花子さん:神様がたくさん祀られているけど、どのような由緒があるの?

太郎くん:罔象女命(みずはめのみこと)は美豆波能賣命とも書き、水の神だね。絵図の右手に見える九十九谷がある所の尾根筋先に天真名井(湧水)があり、そこに祀っていたみたいだね。それを、大宝年間(701~704)の池の築造のとき、堤の所に遷したようだよ。

花子さん:なるほどね。でも、その時そのあたりには、天照大御神の御子の稲穂神である天穂日命(あめのほひのみこと)を祀った神社がすでにあったの?

太郎くん:よくわからないけど、この2つの神と社が、弘仁年間(810~823)に、満濃池の築造とともに一緒になり、池の守護神(池の宮)になったみたいだね。

花子さん:そしたら、『新修満濃町誌』に書いてあったけど、大同3年(808)、矢原正久が満濃池地を流れていた金倉川の源流を鎮め治めるために、蛇谷の上の堂跡ケ峯(現在地から数百m東)に祀られた別雷神(わけいかづちのかみ)は、どうなったの?

太郎くん:嘉永5年(1628)、西嶋八兵衛が池の再築をするとき、池の宮の社殿を造営し、その際、別雷神も当社に遷し、三神・社が一つになったようだよ。

でも、天穂日命を祀った社はだれが、いつ頃、創祀したのか、つまり、神櫛王なのか、その子孫という矢原氏なのか、伊予から移住してきた御村別の子孫なのか、それとも氏人なのか疑問のままだよ。神話の世界の話であり伝承かもしれないけど、大和朝廷と何らかの関係があったと思うよ。

花子さん:ところで、池の宮が神野神社という言い方になったのはいつ頃?

太郎くん:明治維新のときの社名改でなったそうだよ。下の写真①が現在の神野神社だよ。

(写真① 神野神社 本人撮影)

(『香川県神社誌』『新修満濃町誌』『讃岐国名勝図会』『仲多度郡史』を参照)

 

◇ ウテメについて

太郎くん:余水吐(よすいばけ)のことで、岩床が手斧(ちょうな)で削ったように平坦にできており、お手斧岩(おちょうないわ)とも呼ばれているそうだよ。

花子さん:今は、余水吐はどこにあるの? かりん亭の真下に見えるコンクリ-トでできた溝のような所かな?

太郎くん:そうだよ。だから、内側が堤より少し低くなっているよね。明治39年の第一次嵩上げ工事に伴い、堤防の東端に移設されたそうだ。(写真②)放水工の水路床は花崗岩を露出した状態にあえてしているそうだよ。(写真③)

(写真② 現在の余水吐、本人撮影)

(写真③ 放水工、本人撮影)

花子さん:だから、満水の時は水が流れ、水しぶきがたち、まるで竜が暴れているように見えるのね。めったに見えないので、まるで幻の滝ね。

(『満濃池史』満濃池土地改良区、『満濃池名勝調査報告書』町教育委員会を参照)

 

◇ ゆる(揺、閘)について

太郎くん:江戸時代は、下の写真④(満濃池堤防断面図/閘の模型)のようになっていたみたいだね。大正時代までは木製だったので、腐りやすく、数十年ごとに取り替えしなければならず、莫大な費用と人手を必用としたようだよ。

(写真④ 満濃池堤防断面図/閘の模型(かりん会館展示物)、かりん会館提供)

 

花子さん:絵図に見えていたのは、その木製の竪樋(たてひ)の一番上の櫓(やぐら)かしら。かりん会館に、大正3(1914)赤レンガ配水塔の新設まで使用した「閘の敷板と筆木」が展示されていたわ。(写真⑤)

(写真⑤ 敷板と筆木、かりん会館提供)

太郎くん:このゆる(竪樋)は、水を上の櫓から順番に抜くようになっており、今の取水塔も同じで上から順番に抜いているんだよ。

花子さん:でも、どうして上から順番に抜くの?

太郎くん:それは、稲にとって良いあたたかい水をできるだけ田畑に送りたいし、しかも池の下(底)の方は泥水になっており管が詰まりやすいかもしれないしね。

花子さん:なるほど、工夫されているのね。それにしても、底樋は堤の下の方に作らないといけないから大変ね。

太郎くん:そうだね。そこで、嘉永2年(1849)那珂郡榎井村(現琴平町榎井)の庄屋であった長谷川喜平次が、負担軽減(民、百姓のことも考えて)のため、木の底樋を半永久的な石樋にすることを提案し、幕府の許可も得て工事が着工されたそうだ。そして彼自身、私財も投じたそうだよ。

花子さん:先見の明があって、素晴らしい方ね!

 

◇ 神野寺跡について

太郎くん:弘仁12年(821)、空海によって建立されたそうだよ。その後、寺は社と合わせて矢原氏の勧請を受けて繁栄していたそうだよ。

花子さん:そしたら、なぜ廃寺になったの?

太郎くん:天正12年(1584)、長宗我部軍に焼き払われ、荒廃したままだったようだね。

花子さん:でも、どうして焼き払われたの?

太郎くん:矢原氏の領地は、長宗我部元親にとって自分の四国戦略のための拠点である白地(阿波)と西長尾城をつなげるルートになっているから、どうしても確保しておきたかったと考えられるね。

花子さん:そしたら、現在地の神野寺になったのはいつ頃?

太郎くん:昭和8年に堂宇が建立され、昭和28年、取水塔の手前の森の所から本堂が現在地に移転したそうだよ。 (『同上町誌』、「金銅製灯籠笠銘」、聞き取りを参照)

花子さん:自分の近くの神社やお寺、池の揺などについても調べてみると、いろんな再発見があるかもしれないわね。

太郎くん:そうだね。次回は、満濃池の主な歴史年表を一緒に作ってみよう。

参考資料:

①『新修満濃町誌』満濃町誌編纂委員会 編 満濃町(2632マ)

②『満濃池史<満濃池土地改良区五十周年記念誌>』ワーク・アイ編 満濃池土地改良区(6146マ)

③『満濃池名勝調査報告書<まんのう町内名勝調査報告書第1集>』まんのう町教育委員会、生涯学習課、文化財室 著 まんのう町教育委員会(2918マ)

④『香川県神社誌』香川県神職会 編

⑤『讃岐国名勝圖會』梶原景紹 著 臨川書店

⑥『仲多度郡史』香川県仲多度郡 編 名著出版

※ 上記①~③の資料は、まんのう町立図書館に所蔵しております。

 

掘り下げれば掘り下げるほどに、新たな謎が出てくる…。

歴史研究は、浪漫にあふれていますね。

片岡さん、ありがとうございました。

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Bookっと雑学事典

『東京オリンピック・パラリンピック』の開催がIOC総会で決定したのは、2013年9月のことでした。

7年に渡り、選手の皆さんは厳しいトレーニングを重ね、応援する私たちも開催を楽しみにしていましたが、そのお楽しみは1年間のお預けとなりましたね。

コロナウイルスのせいでイベントは軒並み中止…、2020年はもう何もないのかと言えば、そんなことはありません。

実は2020年、オリンピック以外にも色々とスペシャルな年なんですよ ♪

ということで、今回のお題は「アニヴァーサリー・イヤー」です (^_-)-☆

 

【キャラクター界】

世界中で愛されているキャラクターたちも、2020年に記念の節目を迎えていますよ。

例えば…、

 

【音楽界】

伝説の指揮者や、「楽聖」と呼ばれた作曲家、未だ世界中に熱狂的なファンを持つミュージシャンも、記念の年を迎えます。

 

【文学界】

衝撃の死を遂げた天才作家や、フランスとイギリスの古典作家、名作『星の王子さま』で有名な作家などもアニヴァーサリーの年になります。

 

【美術界】

日本が世界に誇る絵師や、ルネサンスの大家、ヨーロッパの至宝ともいえる画家たちの記念すべき年でもあります。

 

ほんの一部ですが、これらすべて2020年の記念イベントなんですよ。

残念ながら、各地で予定されていた展覧会やコンサートなどは、延期や中止を余儀なくされていますが、関連する本なら楽しむことが出来ますよね。

町立図書館にも興味深い本がたくさんありますので、ぜひ借りに来てくださいね。

 

 

 

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第2回 ブログ版「郷土史講座」

暑い…、一日に何度この言葉をつぶやくことでしょう…。

まだ真夏の暑さに体が順応できていないせいでしょうか、連日の蒸し暑さが堪えますよね。マスクを着けていると、尚更です。

お仕事中の方も、プライベートな時間を楽しんいる方も、こまめな水分補給で体調にはお気をつけください。

さて、ブログ版として新たに始まった、大人気シリーズの「郷土史講座」。

早速、第2回をお届けしますね。

講師は、お馴染みの片岡孝暢さんです。

 

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第2回ブログ版 「郷土史講座」 ~ 満濃池シリ-ズ1 ~

<「萬濃池 池宮」の絵図から>

国の名勝になった「満濃池」に関することについて、太郎くんと花子さんの「対話・問答」形式で記載します。

太郎くん:満濃池の絵図を発見したよ。

(絵図①)

 

(絵図①『讃岐国名勝図会』 萬濃池池宮 [嘉永7年(1854)]国立公文書館所蔵)


花子さん:これは、いつ頃描かれたものなの?

太郎くん:『讃岐国名勝図会』という書物の中にあったのだけど、この書物の発刊が嘉永7年(1854)らしいよ。

花子さん:すると、江戸時代ね。描いた方は、どこから描いたのかしら?

太郎くん:描いた場所は、たぶん、神野寺の道路をはさんで北西側の小山の上か、さらに、その向こう側の神田良山(地元の方は「こうたろうやま」と呼んでいるそうです)あたりかと思うよ。

花子さん:ドロ-ンがあれば、同じアングルで撮って、絵図と比べてみたいわね。

太郎くん:そうだね。ところで、この絵図を現在の地図や景観(写真①)と重ね合わせてみると、いろんな疑問が湧いてくるよ。

太郎くん:僕が疑問に思った所の絵図の拡大図①だよ。

 (拡大図① 絵図①の鳥居・社・ウテメ部分の拡大図)

 

(写真① 現在の満濃池 本人撮影)

太郎くん:右手前の小高い山上に鳥居と建物があるけど、何の建物だろうね?

花子さん:石の鳥居みたいだけど、鳥居の内側にあるから、きっと社(神社)ね。しかも、屋根の上にXを描くような形をした千木(ちぎ)があるものね。

太郎くん:現在の神野神社は、絵図とは逆に堤の右岸側に鎮座しているよね。

花子さん:堤の右側、左側では?

太郎くん:満濃池は谷あいの、金倉川の上流をせき止めて造った池だから、川の流れる方向に向かって右側だという意味だよ。

太郎くん:神社はいつ頃、どのようにして創祀されたのだろう?神様はだれ(何)を祭っているのだろう?神社は、いつ、なぜ移転したのだろう?と沢山の疑問がわいてくるよ。

花子さん:難しいわね。何を調べると分かるのかな?

太郎くん:図書館に「郷土史コーナ-」があるから行ってみるといいよ。『新修満濃町誌』があると聞いたよ。

花子さん:神野神社の下にある案内板に、鳥居のことが書いてあったけど、現在の鳥居は、文明2年(1479)に奉献されたものだそうね。ということは、今から500年あまり前の室町時代の後半に建てられたものね。すると、この絵図の時代にはすでにあったものだから、これが移転したのね。

太郎くん:町内では最古のものだそうだね。鳥居の手前から観た満濃池の姿は絶景だね!!(写真②)

(写真② 鳥居から見た満濃池 本人撮影)

太郎くん:さっきの拡大図①を見ると、一番右端に「神野寺跡」と書いてあるね。「跡」っていうことは、この時この寺はすでに廃寺になっていたと考えられるね。

花子さん:どうしてなくなったのかな?

太郎くん:織田信長が比叡山の延暦寺を焼き討ちしたというのを、本で読んだことがあるけど、南北朝や戦国時代は武士同士の戦や寺の反乱などで、焼き討ちがあったのかもしれないね。

太郎くん:絵図の神社がある小山の右手の所に「ウテメ」と書いてあるけど、これはどういう意味かな?

花子さん:そこから水が流れているし、しかも堤の下からではなく上から流れているので、満水したとき余分な水を流すものかもね。

太郎くん:きっとそうだよ。そうしないと、洪水などで堤防が崩れる可能性が強くなるよね。つまり、ため池の安全装置みたいな役割をはたしているのかな。

太郎くん:池の水を調整する仕組みについて、次の絵図の拡大図②をみてくれる?

 (拡大図② 絵図①の「揺」部分の拡大図)

太郎くん:絵図の中央の堤の所に見えている、井戸みたいな四角形をした木の枠組みは何かな?僕は、「ゆる/揺」、つまり池の水を抜く装置(やぐら、樋管)みたいなものだと思うのだけど。

花子さん:でも、「ゆる」はどんな仕組みになっているの?今は取水塔があり、毎年6月に「ゆる抜き」があるから、見に来たことがあるけど。

太郎くん:それについても、まだまだ知りたいことがいっぱいあるね。

(拡大図③ 絵図①の歌の部分拡大図)

太郎くん:絵図の上に書かれている歌(拡大図③)だけど、歌のなかに、「うなはらに」、とか「九十九湾」とかあるけど、この時代の人も、満濃池を見て、海のように広いと感じたのだね。九十九湾というのは、絵図右手の尾根と谷が交互にある所のことだよね。歌のなかに「十市の 池水」とあるけど、満濃池のことを十市池とも云うらしいね。確か、満濃中学校の校歌の2番の歌詞にも「十市の池に 空海の・・」とあったね。

花子さん:満濃池を上空から見ると、おもしろい形をしているわね。また、堤から観た、背景の讃岐山脈の山々の風景もすてきね。他にも、池の堤を歩く人の姿や山の名称も興味があるわね。神野神社や神野寺、揺の仕組みなど、まだ疑問が解けていない点もあるわね。

太郎くん:そうだね。次までのお互いの宿題にしようか!!

花子さん:そうね。私は図書館で調べたり、現地にも行ってみようかな。

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昨年、ため池としては初めて「国の名勝」に指定された満濃池のお話、いかがでしたか。

地元の名所ですが、知らないことがたくさんありますね。

片岡さん、ありがとうございました。

 

町立図書館では、現在「ミニ特設コーナーC」において、満濃池を特集した展示をしております。

「郷土史講座」と合わせて、ご覧になって下さい。

では、次回もお楽しみ (^^♪

 

 

 

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まんのう読書週間 開幕!!

例年より少し早めの梅雨入りですが、雨傘よりも日傘が必要な日が続いていますね ☀

今年度から、まんのう町では毎年6月の第1土曜日を「まんのう町民読書の日」と定め、生涯学習と豊かな読書活動を推進する計画が始まりました。

2020年の「まんのう読書の日」は、本日6月6日㈯です。

6月6日㈯~6月19日㈮までを「まんのう読書週間」とし、館内では様々な企画をご用意しております。

そしてそして、まんのう町立図書館は開館7周年を迎えました!!

あっと言う間の7年でしたが、地域の皆さまと多くの利用者の方々に支えられ、7周年を迎えることが出来ました。ありがとうございます💛

毎年6月には、開館記念イベントとして「図書館まつり」を開催しておりましたが、今年はコロナウイルスの影響で中止を余儀なくされてしまいました。

そこで、 ”3つの密” を避けた「お立ち寄りイベント」として、様々な展示企画を楽しんでいただくことになりました。

まずは「本のお楽しみ袋」です。

袋にはテーマと入っている本の数だけが書かれていますので、ぐるっと一回りし、気になるテーマの袋を選んでいただきます。

袋は開けずに、そのまま貸出カウンターへ。どんな本が入っているかは、帰ってからのお楽しみです。

 

大人向けと子ども向け、両方をご用意しております。

普段はあまり読まないジャンルや、ちょっと”そそられる” テーマの袋を手に取り、新しい本との出会いを楽しんでください。

なくなり次第終了ですので、早いもの勝ちですよ (^_-)-☆

 

続いて、「子どもの本 POPコレクション」です。

 

センターテーブルにずらりと並べられた本と、何やらステキな飾り…!?

当館スタッフと小・中学校の司書がオススメする児童書を、POPとともに展示しています。

本のイメージやおはなしのテーマなどを、絵や立体作品にした手づくりPOPです。

展示の本はすべて借りられますので、POPを観覧しながら気になった本は、どんどん手に取ってくださいね。

 

次にご紹介するのは、ロビーでのブログ展示」です。

町立図書館では、この春から「まんのうBookBook(ぶくぶく)コミュニケーション」という取り組みを始めました。

「本」を通して、「図書館」と「人」と「地域」が互いにつながって行こう! という活動です。

開館以来、町立図書館は多くのボランティアの方々に支えられ、様々な活動を展開してまいりました。

そんなボランティアの方々を「まんのうBookBook応援団」と名づけ、これまでの活動を記録したブログのパネル展示をしております。

 

毎月のおはなし会を盛り上げて下さるのは、

大型絵本や歌遊びで楽しませてくれる「すまいりぃ」さん、

パネルシアターやわらべ歌などで盛り上がる「さぬき語りの会」さん、

英語での読み聞かせで外国の文化も教えてくれる「メリーバスライドまんのう」さんです。

工作会では、「まんのう町竹細工同好会」さんと、「筍の里」さんのお力をお借りしています。

それぞれに季節や年中行事に合わせた題材を選び、素敵な作品作りを教えて下さっています。

教養講座では、「農業講座」の豊嶋和人さんと、「郷土史講座」の片岡孝暢さんにご協力いただいています。

現在、両講座は「ブログ版」としてシリーズを展開中ですので、是非当館のブログをご覧ください。

パネル展示では、この度初めての試みとして行った、オンラインでの参加型イベント「まんのうBookBookつくり隊」の作品も公開しております。

全国規模での「ステイホーム」期間に、多くの方が ”おうちで” 作った素敵な作品を送ってくれました。

 

最後は「本と生きよう!」読書運動の企画展示です。

「本と生きよう!」は、図書館で、学校で、地域で、誰もが本とともに生き、心を豊かにしていける活動を推進する読書運動です。

今後、様々な取り組みを行っていきますので、ご賛同よろしくお願いいたします。

「まんのう読書週間」の期間中、図書館中央において、本にまつわる図書を可愛らしいPOPとともに展示していますので、来館の際は是非ご覧ください。

  

なんと!  オリジナル・テーマソングもあるんですよ ♪

タイトルもズバリ! 「本と生きよう!」 (^^♪

「まんのう読書週間」の期間中は、土曜日と日曜日に1日3回、館内で曲が流れますのでお楽しみに ♬

 

まんのう町立図書館では、「つながる図書館」を目指し、積極的に新たな取り組みを行っていきます。

たとえ、入口のドアが閉まっていても、図書館とつながれる別のドアがいくつもあります。

「電子図書館」「ブログ」「オンライン・イベント」etc.

今後、一つでも多くの「ドア」を作り、いつでも、どこからでも、どなたでも、図書館とつながれるよう、進化・成長していきたいと思っております。

10年後、20年後も、皆さまと「つながって」いられますよう、今日からまた新たなスタートです。

今後とも、まんのう町立図書館をよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

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おそろマスクでお仕事中

卒入学式やお花見など、今年は春の一番いいところを楽しむことが叶いませんでしたが、ようやくゆっくりですが日常を取り戻しつつありますよね。

一時は街中どころか、日本中からマスクが姿を消し、マスク探しに奔走…といった話もあちこちで聞かれました。

町立図書館のスタッフにとっても、マスクはお仕事中の必須アイテムです。

ないと困る…(-_-)

誰もが焦りを隠せずにいた頃、救世主が現れたのです!

3D立体マスク!!!

手芸の腕前がプロ級である当館スタッフのOさんが、仲間のためにマスクを手づくりしてくれたんです (^_-)-☆

表地に使われているのは、香川の伝統工芸品である、「保多織(ぼたおり)」の生地なんです。

その歴史は古く、1689(元禄2)年に、初代高松藩主・松平頼重公が産業開発と幕府への献上品のため、京都出身の織物師・北川伊兵衛常吉に創らせたのが始まりだそうです。

特殊な織り方により、ふわっとニュアンスのあるワッフルのような凸凹が生まれるんだとか。

通気性と吸水性に優れ、暑くなるこれからの時季にぴったりのアイテムなんです !(^^)!

ワンポイントの刺繍、何に見えますか?

カモ…、いえいえ、ヒントは図書館にたくさんあるものです。

答えは、「開いた本」なんですよ (^^♪

日ごとに気温もぐんぐん上がり、夏に近づいていますが、今年はこの「おそろマスク」で、町立図書館は一丸となって、暑さにもコロナにも負けずに頑張っていきたいと思います!

当館には「保多織」が紹介されている本もありますので、ご興味のある方はご覧になって下さい。

『一緒に暮らす布』 小澤典代 著  新潮社 (5867オ)

 

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第3回 ブログ版「農業講座」

季節はすっかり夏模様。

半袖で出歩く方も多くなりましたね。女性にとっての天敵、日焼けとの戦いも始まりました(笑)

畑仕事やガーデニングなど、土いじりをされる方は、水分補給もしっかりしながら体調に気をつけてくださいね。

さて、大好評のブログ版「農業講座」の第3弾が届きました !(^^)!

今回のテーマは「カメムシ」です。

講師はご存知、「まんのうの達人」豊嶋和人さんです。

 

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【雑食カメムシはおもしろい!】

みなさんはカメムシといえばなにを思い浮かべますか。クサい?集団でやってきてお米やミカンに悪さをする困ったやつ?それもカメムシには違いないんですけど、畑にも野山にも多種多様なカメムシがおるんですよ。ここでは、なにを食べているか(なんの汁を吸っているか)で分類してみましょう。

まずは畑でおなじみの草食のカメムシです。最近平野部でよくみかけるのはなんといってもミナミアオカメムシですね。大きくて匂いも強烈、イネ、ナス、オクラ、 トウモロコシ、最近ではブロッコリーなんかも吸っています。繁殖力も旺盛です。

ナスやピーマンの葉裏に宝石のような卵がきれいに並んでいるのを見たことがありますか?ホオズキカメムシの卵です。成虫は青りんごのようなわりといいにおいがします。ナスやピーマンの茎から汁を吸って、なんでそんないい匂いになるんでしょうねえ。

草食の次は肉食のカメムシです。代表的なのはサシガメです。写真は善通寺の某スーパーマーケットの駐車場でみつけたヨコヅナサシガメ、かっこいいでしょ。でも刺されると痛いんですよ。

クチブトカメムシの仲間はイモムシの体液を吸います。以前一度だけ、夏場遊ばせていたハウスにシロヘリクチブトカメムシが大発生したことがありました。

このままこのシロヘリクチブトカメムシにおってもらえたらイモムシ退治は任せられるじゃないか…と思ったら、餌のハスモンヨトウ、シロオビノメイガ幼虫を食べ尽くしたところでみんなどっかに飛んでいってしまいました。残念!

こういった益虫カメムシがずっと一緒におってくれたらな~。そこで登場するのが雑食のカメムシたちです。彼らは餌の昆虫を食べ尽くしても、植物の汁液や花粉を用意しておけば畑にとどまって、餌となる昆虫の発生するのを待ってくれます。(下の写真右側)

中央はヒラタアブです。

春や秋によく見かけるのがヒメハナカメムシの仲間です。アザミウマなどの小さな昆虫やイモムシの卵を主に食べますが、餌となる虫がいなければその名前のとおり花の花粉も食べます。花壇や寄せ植えでおなじみのアリッサムや、バジル、ソバなどの花を好むと言われますが、クローバーでもよくみかけます。

面白いところでは、オクラの葉裏や茎についているキラキラとした「水晶体」も食べます。ただし、普通の五角オクラよりも丸オクラの水晶体を好むようです。アザミウマの食害を受けやすいナスやピーマンのそばに丸オクラを播いておくと2度も3度も美味しいですね。

スイートコーンの花粉もヒメハナカメムシを集めます。ここで一石三鳥の裏技を披露してしまいましょう。受粉が終わったスイートコーンの一番上の雄穂をハサミで摘むとスイートコーン最大の敵アワノメイガの被害を軽減できるというのは家庭菜園の本にもよく書いてある技術ですが、同時に風による倒伏も防ぎます。このとき、一番上の葉ごと摘むのがポイントです。その葉の裏がアワノメイガの産卵場所というのが理由です。ここからが面白いところなんですが、摘んだ部分の葉と茎の間の狭い空間にたまった花粉を求めてヒメハナカメムシがいることがあります。他にも、同じく花粉をもとめてやってきた、ハダニの天敵カブリダニ、さらに、アブラムシの天敵テントウムシやヒラタアブもみかけたことがあります。まさに天敵昆虫の福袋や~。餌のアブラムシがいることもありますが、前回紹介しましたイネ科だけにつくアブラムシですので問題ありません。アワノメイガも野菜にはつかないので大丈夫です。なので摘んだ穂は捨てないで、うちではピーマンやオクラ、トマト、キクの畑にばらまきます。

さて、梅雨が開けて本格的に夏になると、暑さに弱いヒメハナカメムシは秋までお休みです。その時期から活躍するのがタバコカスミカメという雑食のカメムシです。

 ゴマの葉にいるタバコカスミカメ

コナジラミやアザミウマといった果菜類の大敵をモリモリと食べます。農薬の効かないコナジラミに困っていた高知で農家が発見したタバコカスミカメの利用技術は、この10年ほどの間に西日本中に広がりました。

タバコカスミカメを集める植物はゴマ、クレオメ、バーベナです。実際に試したところではこの順番でたくさん集めるような感触があります。ただし、タバコカスミカメは大好きな虫がいないときに作物の茎葉の汁を吸ってしまうことがあります。致命的な被害となることはないのですが、タバコカスミカメが増えすぎるとトマトやキクなどでは注意が必要です。

今年の2月に亡くなった日本の応用昆虫学の第一人者桐谷圭治先生は、害虫、益虫に加えて「ただの虫」の重要性を提唱し、日本の減農薬技術開発に道筋をつけました。タバコカスミカメは、ゴマに集まった時点ではただの虫ですが、害虫を食べる益虫にもなれば、害虫との勢力バランス次第で害虫にもなる、畑の生態系の面白さを教えてくれる虫ですね。先月、岩波ジュニア新書から『博士の愛したジミな昆虫』という本が出ました。生態系の中の虫たちを研究している桐谷先生を含む10人のハカセたちの研究成果が分かりやすく説明されています。家庭菜園や畑にももちろん役に立ちます。興味のある方は手にとってみてください。

では最後に、図書館の蔵書から畑の虫にまつわるおすすめの本を2冊紹介します。

『虫といっしょに家庭菜園』 小川幸夫 著 家の光協会 (6138オ)

千葉県の農家の方が書いた本ですが、家庭菜園の教科書と見せかけて、野菜そっちのけでひたすら虫のことしか書いていません。痛快過ぎて読みながら大笑いしてしまいました。

『天敵利用の基礎と実際』 根本久、和田哲夫 編著 農山漁村文化協会 (6158ネ)

この10年ほどのあいだに格段の進歩を遂げた天敵利用技術をまとめた技術書です。2000年代前半に書かれた類書と比べると、その実用性の高さに驚かされます。どんな植物が益虫を集めるか、細かく書かれています。

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虫も、「敵」として戦うばかりではなく「味方」につけると、ちょっと可愛く思えてきたりもするのでしょうね。

豊嶋さん、ありがとうございました。

 

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Bookっと雑学事典

お家で過ごす時間が長くなり、何か気分が晴れる楽しいことでもないかと、パソコンやスマホの画面に視線を落としている方も多いのではないでしょうか。

当ブログでは、テレワークやお家読書の ‟箸休め” に、本や図書館にまつわる、ちょっとした雑学をお届けしていこうと思います。

名づけて『Bookっと(ぶくっと)雑学事典』です (^_-)-☆

仕事や実生活であまり役には立たないけれど、話のネタにはなりそうなエピソードを厳選しております ♪

今回のテーマは「文豪」です。

文豪と言えば…

名高い文学賞にもその名が冠される、芥川龍之介

数々の名作を世に残した日本を代表する文豪ですが、その生き様はなんとも ‟アカンタレ” なものなのでした。

関東大震災の時には、まだ赤ん坊だった息子と妻には目もくれず、自分だけが家から飛び出し避難したという逸話や、夫のある女性と不倫の末に子どもまで作ると、姦通罪(かんつうざい)に問われることを恐れ、中国にまで逃亡したり…。

文才と男気は、必ずしも比例しないものなのですね (-.-)

 

続いては、お札になったこともある夏目漱石です。

漱石先生を生涯悩ませ続けたのは、神経衰弱という病でした。

そもそもデビュー作の『吾輩は猫である』の執筆を始めたのも、持病の神経衰弱を和らげるためだったとか。

その漱石先生、家庭では手に負えない暴君でらしたようです。家政婦さんが傍を通っただけで、「今、何と言った!」と怒鳴ったり、子どもたちが隣の部屋で笑っていると、自分の悪口を言っていると難癖をつけたり…、時には暴力を振るうこともあったようです。

しかしながら、すべては病がそうさせていたのかもしれませんね。残された作品に罪はありません (*_*;

今に続く芥川賞が創設されたのは1935年(昭和10年)のことです。

記念すべき第1回の候補に挙がったのが、文壇にデビューしたばかりの太宰治です。

華々しいデビュー秘話かと思いきや、落選した太宰が取ったその後の行動は、「事件」として今尚、語り継がれております。

事の発端は、選考委員であった川端康成が、「太宰には私生活に問題あり…」という内容のコメントを発表したことにあります。

当時、薬物中毒を患っていた太宰は、作品ではなく私生活の良し悪しで落選したと思い込み、雑誌に川端康成宛の手紙を掲載したのでした。そこには「刺す」という一言が…。

その後も芥川賞に対する太宰の執念が消えることはなく、第3回の選考の直前には、自分を選んで欲しいという内容の手紙を川端康成に送るなど、何が何でも芥川賞を受賞したかったようです。

時は巡り、現在では二人とも日本の文学史を代表する文豪となられましたね。

 

町立図書館には、文豪にまつわる本も色々とそろっていますよ。

『文豪はみんな、うつ』 岩波明 著  幻冬舎 (9102イ)

『芥川賞の謎を解く』 鵜飼哲夫 著 文藝春秋 (9102ウ)

『日記で読む文豪の部屋』 柏木博 著  白水社 (9102カ)

人物像を知った後に作品を読むと、また違った印象を受けるかもしれませんね ♪

 

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