第7回 ブログ版 農業講座「まんのう町は暖地? それとも湿暖地?」

すっかり秋も深まり、厚手の服や暖房器具が必需品となってきましたね。

家庭菜園をされているみなさんの畑も、おでんや鍋の具材になる野菜がぐんぐん大きくなっている頃ではないでしょうか。

天気のいい日には、畑仕事で体を動かすと気持ちがいいでしょうね。

では、本日も農業講座始まります。

講師はまんのう町在住の農業の達人、豊嶋和人さんです。

【まんのう町は暖地? それとも湿暖地?】

11月に入り、だいぶ冬の気配がしはじめましたね。去年一昨年と二年連続の暖冬でしたが、今年の冬はどうでしょうか。ラニーニャ現象で寒くなるという話もあります。一昨年の暖冬はラニーニャ現象の反対のエルニーニョ現象でした。

暖冬だと冬野菜は豊作になります。葉物野菜の葉はぐんぐん大きく育ち、ほうれん草や小松菜などの軟弱野菜は播種から収穫までのサイクルが早くなります。葉が巻く結球野菜もサイズが大きくなりますから、同じだけ苗が植えられていても、市場に供給される量が増えます。ブロッコリーのような蕾を食べる野菜も同様です。寒さが厳しい冬だとその逆です。さて今年はどちらでしょうか。

ところで、園芸の世界で使われる気候区分はおおむね以下のようになっています(図1)

(図1)

 

「おおむね」と書いたのは厳密にきまっているわけではなくて、わりといろいろな表記が見られるからです。温暖地と暖地の境を14℃とする例もあります。上の表以外にもときどき見られるのが「西南暖地」という表現です。農林水産省の文書にもでてくる表現で、普通は高知県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県のことを指すようです。野菜や花の種の袋にもいろいろな表現がされています。

 

(写真① 白菜の種袋:本人撮影)

 

(写真② バジルの種袋:本人撮影)

 

住む地域がどの気候区分にあたるか、かんたんな地図を載せてくれているメーカーもあるのですが、香川県はメーカーによって暖地だったり温暖地だったりするようです。暖地か温暖地かというのは種の播きどきに大きく影響します。いったいどっちなんでしょうか。また、せまい香川県でも海沿いと山間地域では気温がだいぶ違うはずです。では気象データからまんのう町の気候区分を検討してみましょう。

まずは香川県にある気象庁のアメダスを確認してみましょう。

気象庁|過去の気象データ検索 香川県全地点    👈こちらをクリック

 

各地点にカーソルをのせると、緯度経度や標高のデータがでてきます。まんのう町は滝宮と多度津と財田のアメダスのちょうどまんなかに位置していますね。各アメダスのもう少し詳しい場所はと言いますと、滝宮のアメダスは農業経営高校の敷地内、多度津のアメダスはさぬき浜街道から少し入った海沿いの住宅地の中、財田のアメダスは三豊市財田支所近くの財田川沿いにあります。町東部は滝宮、西部は財田の気象データが参考になりそうです。

うちは町最北部の高篠地区なんですけど、多度津のデータはあんまり参考になりません。というのは多度津のアメダスはあまりにも海に近く、また住宅地の中ということもあって、特に秋から春にかけての夜温が高く出ます。寒い時期の夜温は栽培にとって大変重要です。なぜなら霜や凍結の目安になるからです。

さて、アメダス以外にも気象データを提供してくれているところはあります。うちで参考にしているのは善通寺市にある農研機構西日本農業研究センター四国研究拠点の気象観測データです。善通寺市の街中にある仙遊地区のデータが標高などもうちと近くて参考になります。農業研究施設らしく地温データもあるんですよ。

農研機構 善通寺の気象   👈こちらをクリック

 

これらの気象観測地点の年間平均気温を見れば、まんのう町の気候区分がわかりそうです。現在平年値として使われている1981~2010年の年間平均気温をまとめてみました。(図2)

(図2)

どうやらまんのう町は標高が高いところでなければギリギリ「暖地」に入りそうです。ところで、現在使われている平年値は予定では来年更新されて、1991~2020年の年間平均気温が新しい平年値になります。ここでぜひ上記のリンクから各地の1980年代の気温と2010年代の気温を比較してみてください。明らかに1980年代は今より寒いですね。今ギリギリで「暖地」のまんのう町はその頃「温暖地」だったようです。確かに子供の頃のほうがよく雪が積もりました。身近なデータからも地球温暖化はよくわかります。

とはいえ内陸のまんのう町は冬の夜けっこう冷え込みますよね。霜よけや冬作物の生育促進にビニールトンネルや不織布のべたがけを使うことも多いと思います。海のすぐそばにある多度津のアメダスの夜温がぬくいのは、海の水が陸上の土や岩石よりも冷めにくい性質を持っているからでした。ならば作物の近くに水を置いてやれば昼間の熱を夜にも少しずつ放出してくれるはずです。

(写真③ 早播きオクラのトンネル:本人撮影)

 

暖房の温風を遠くまで送るためのダクトチューブに水を入れて、早播きオクラのトンネルのなかに設置したものです。(写真③) 

熱帯作物のオクラを3月に播くための工夫ですね。小さなスペースですと、2Lのペットボトルでも効果があります。ぜひ試してみてください。

気候の変化に合わせ、農家の方たちは様々な工夫を凝らし、農作物を作られているのですね。

できたものを毎日当たり前のように頂いている私たちは、作ってくれた方に感謝感謝です♡

豊嶋さん、本日もありがとうございました。

 

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